ライフマップづくり部会  /地域福祉マップ作成による地域ネットワークと地域拠点作り 本文へジャンプ
報告スライド


従来より、公共機関の提供や地域活動の中から各地域や目的ごとに様々な社会資源マップが作成されています。しかしながら、これまで作成されたマップは、「住民の多様なニーズに対応していない」「最新の情報が掲載されていない」「どこを見ればいいかわからない」など、必ずしもニーズに対応しているとは言い難い部分もあります。


私たちは、地域の住民自らがその地域の資源を調査し、マップの作成に向けて行動するという理念に基づき、新たなマップの形態を検討し実証を行いました。
検討は、大きくライフステージの分類に関すること、地図の作成に関すること、地図の提供や形態に関すること、作成後の管理や活用に関することとしました。以下、その検討報告を述べます。

U ライフステージの分類
U−1 ライフステージとはなにか
ライフステージについて、各自ケースを持ち寄り実際に分類作業、議論を行った結果、10代、20代といった年齢で区切るものではなく、その人それぞれの状況や目的により決定されるとの結論に至りました。

U−2 ライフステージの分類表
分類した状況と、目的を縦軸横軸に配置したものが以下の表です、二つの条件が交差した部分がその人に必要な情報となります。
たとえば、現在子育て中であり、学ぶ機会が欲しいなど複数の状況から絞り込むことによって、「子育てサークル」「趣味サークル」などに行き当たります。このように、欲しい情報は一律的に提供されるのではなく、自分で絞り込むことによって得ることができるのがライフステージにあった情報となります。

V マップ作成の進め方
V−1 マップの作成体制
地域マップの作成は、限られたのメンバーだけでは、実際の調査を進めることはできません。そこで、今回、地域のNPOの協力を得て、実際のパイロットマップを作成しました。この手法は今後、各地域マップを作る際にも同じように行う必要があると考えます。

V−2 地域マップの構築手順
作業にあたっては、まずは、地域活動との連携をとる必要があります。次に、どのようなコンセプトで取材するか、その地域活動と一緒になって検討します。このときは高齢者、転入者にとって有効な情報を、守山小学校を中心に半径500mの徒歩圏内をしらべることとしました、その後、調査シートを作成し、基本項目と、コンセプトにあったテーマ別項目を話し合い、調査シートを作成します。
最後に調査、まとめになります。この間の、話し合いや調査の過程こそが、お互いが地域のあるべき姿を理解し、協力関係をつくる上で、重要となります。

W−1 地域マップのイメージ
これが地域マップのイメージです。サイズはB6(文庫本程度)で、左側に目的、名称、所在地、周辺の地図、状況があり、を左に作成者、コメント、写真と基本的な情報が配置してあります。
今回の調査では、半径500mの徒歩圏内で250件余りの有効な情報が得られました。
従来の大きな地図に点を打つ方法では、どうしても掲載情報が限られてしまいます。また、地図上にたくさん情報が示されていても、その人のライフステージで必要な情報は、その中のごく一部でしかありません。
そこで、私たちとしては、このようなB6のカードサイズに周辺地図と写真や必要な情報を書き込んだ形での作成を提案します。

W−2 地域マップの提供方法
こちらは、このマップの配布のイメージです。
このマップを、ホームページなどに掲載してして必要に応じて取得したり、区の施設、ボランティア拠点などに新着の個マップを張り出します。
それによって、レシピカードのようにそれぞれが必要なものだけを集めていくことができます。

X 作成後の管理・活用
X−1 地域マップの管理方法
この図は、マップの管理方法を表しています。個別のマップが目的、状況、地域によって分類され、ファイルとして閉じてインデックスが作成されるイメージです。
この全マップの保管については、図書館等でブックファイルなどで保管しておくことで必要に応じて検索できます。
また、情報が古くなった場合には個マップを差し替えることで、最新のものを提供できます。
ちょうど、不動産屋さんで物件を管理するのと同じような、管理方法です。

X−2 地域マップの活用方法
最後に、地域の課題を解決する手法としてのマップづくりの効果を紹介します。
ここには、マップを基盤に地域の関係者が集まって地域の力を再生するプランを考え、共同で事業を実施して住民にサービスを届けるイメージが書いてあります。
この検討を進める中で、このマップづくりが、地域のニーズや課題を明らかにする、マーケティングの意味を持つことがわかりました。
この課題をマップに終わらせるだけでなく解決に結びつけるための取り組みとして、それぞれの立場から解決策を提供することが理想の姿です

ここで、提言の1ですがこのライフステージにあった、マップづくりを、区民協働のプロジェクトとして提案します。
主旨は以下のとおりです
@区民の誰もがライフステージにあった情報を取得する状況をつくる。
Aマップづくりを介して、地域活動の連携を図る。
Bマップづくり活動を介して、地域の資源やあるべき姿を確認する。

提言の2ですが、マップづくりを通じて、生まれたコミュニティを、その後、地域課題解決の仕組みとして発展させることを提案します。
主旨は以下のとおりです。
@徒歩圏内の地域でのニーズを生かしたコミュニティ事業を育成する。
A暮らしやすい町を目指して、住民の協議検討の場をつくる。
BコミュニティビジネスやNPOそれぞれ強みを生かした、地域課題の解決のための事業共同体の構築を支援する。